福祉国家への建設
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グループホーム
エーデル改革とケアつき住宅
経済不況とインフォーマル
ケアの重視
福祉後退への批判

■グループホーム

 1980代後半になると、痴呆性老人のためのグループホームが全国的に作られていきます。


▼クランパレガータン 
  施設長 イングリッド・パーク(女性 55歳)
 
「この施設には、3つのプループがあり、各階に分かれています。各階に7人の痴呆症の老人が住んでいます。ここでは、入居者をゲストと呼んでいます。
 ここの施設の目標は、残余能力をいかに残すかということです。日常作業を自分でさせるというADLトレーニング法を用いています。
 朝、顔を洗って、服をきて、マニキュアを塗るとか、髪をセットするとか、こうしたことが訓練になるのです。ここへ入居した人は、そのようなことも忘れているのです。無理な場合には手伝いますが、できるだけ自分でしてもらっています
 スウェーデンでは、高齢者に対して幼児語で話すことはしません。一人の人間として尊重して扱わねばならないからです。頭を撫でることもいけません。でも、痴呆症の人は、身体的な接触は重要なので、肩をだきしめてあげることはよくしています。それによって、一瞬でも心が通じることがあります」

▼クランパレガータンの老人性痴呆症のグループケア
  スタッフのレーナさん
「食事を一緒に作ることが大切なんです。パンやケーキもよく焼きますよ。おいしいし臭いがするし、食欲が出てきます。だからここでは、おいしくないと言って食べない人や食べた後すぐにお腹が減ったと食べに来る人はいなですね。
 職員はそれぞれ2人のゲストの担当者になっています。その担当者は、入居者がキチンと食事し、薬を飲み、部屋が綺麗になっているか、それぞれの状況を把握しています。
 職員は各フロアごとに、昼間が2人から3人、夕方は1人で、1つのフロアに合計4人います。夜勤用に専任のスタッフが2人いて、全フロアの人に対して責任をもち、夜の9時から朝の7時まで勤務します。
 グループ・ホームでは、痴呆性老人以外に、知的障害者や精神障害者向けがあります。家庭的な少人数の環境のなかで一緒に生活することで、ケアが行われています」。


ミニ情報
ADL
グループホームの職員人数
80歳以上の高齢者の増加
行方不明高齢者の探し方