福祉国家への建設
経済保障
ケアつき施設の歩み
在宅ケアの充実
グループホーム
エーデル改革とケアつき住宅
経済不況とインフォーマル
ケアの重視
福祉後退への批判

■ケアつき施設の歩み

 高齢者の住宅問題が政治課題として注目されるのは、1950年代に入ってからです。老齢人口比率が1950年に10%を超え、今後増加していく高齢者に社会がどう対応していくかが真剣に議論され始めます。
 そのきっかけを作ったのは、作家のイーヴァル・ロー・ヨハンソンでした。彼は『老後のスウェーデン』の本で、老人ホームの実態を告発しました

 その当時の老人ホームは、社会から隔離されたところに建てられ、個室はなく、居住空間としても貧しいものでした
 老人ホームのために国庫補助が導入され、高齢者のための住宅手当を支給。1950年代から1960年代にかけて、高齢者住宅がつぎつぎと建設されました
 1960年代中頃から高齢者の住環境の質的向上が唱えられます。1970年代から、年金生活者のための住宅として、ケア付き住宅のサービス・ハウスが供給されます
 居間・寝室・ダイニングキッチンやシャワールームのある独立した住宅に、食堂、ホビールーム、洗濯室、図書室などが併設されています
 また、緊急アラームなどの設備があり、24時間介護システムで対応しています。一般住宅と同様にホームヘルプサービスも受けることができます
 旧い型の老人ホームの建設は中止となり、一部の老人ホームはサービス・ハウスに改築され、老人ホームの数は減少していきます。
 一方、医療ケアについては、1959年の病院法で、「慢性患者のケアは福祉領域でなく、医療の中に位置づけること」とされます。
 1960年代から1970年代にかけて、長期療養病棟のナーシングホームが大量に建設されます。

ミニ情報
老齢人口比率(高齢化率)の動向
ノーマライゼーションとフールールンド地区