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■経済不況とインフォーマル
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これまでのスウェーデン社会は、高齢者介護は国が担うべきものとされ、フォーマル・ケアの充実に力が注がれてきました。しかし近年、家族や友人による私的介護であるインフォーマル・ケアが重視されています。
その表われの1つが、1988年に制定された親族等介護有給休業法です。親族や親しい友人が介護のために休業や労働時間の短縮ができます。その間の所得が部分的に保障されます
第2は、年金生活者によりボランテイア活動の一環として行なわれている友愛サービスの促進です
▼PRO(年金生活者全国組織団体
会長オーロフ・ヤンソンさん
「友愛サービスの目的は、ひとり暮らしの寂しさ・孤独を打ち破ることにあります。友人を得るための社交活動は、われわれのいろんな催しを通じて行っています。
▼友愛サービス促進担当の市の職員
インゲル・ヴァルステン(女性)
「スウェーデンでは組合が強いので、無給で働く人が増えると、仕事を奪うことになるというので、これまでボランティア活動に否定的でした。
しかし不況で、社会の考え方が変わってきました。国や市にお金がない。節約せざる得ない。ボランティアというか、自発的な活動への期待が増えてきた。今でも医療・介護は医者やヘルパーの仕事ですが、社交面はボランティアに頼る傾向があります。」
▼ホームヘルプ・サービス部門の課長
マルガレータ・ルンドクビストさん
「コンサートや旅行の付き添いは、ボランティアに求められています。ペルパーの仕事は純粋に介護ケアだけに限定されてきています。これまでヘルパーが掃除や窓拭きをしていました。今では掃除料金を払わねばなりません。
ヘルパーの訪問回数が徐々に減っています。以前は、要求があれば、簡単に訪問していました、今は介護の必要度を厳しく査定しています。」
▼ヘルパー アニタ・カルデルさん
「私たちの仕事が時間で厳しく管理されだしました。一緒にお茶を飲みながら、ご老人と話をするといった重要な社交の時間が削られています。
サービスハウスでつくられた料理が運ばれ、薬や他の必要なものはコンピュータを通じてオーダーし、届けられます。料理をしたり、ご老人をつれて、買い物や病院に行くことがもうできません。」
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