行方不明高齢者の探し方

 スウェーデンでは、毎年約7,000人もの人々が行方不明になり、ほとんどの人は2〜3日中に見つかるが、最後まで見つからない人たちもいる。行方不明の多くは老人性痴呆症患者で、外出した後、家に戻れなくなった人たちである。
 警察では広大な森などで行方不明になった老人性痴呆症患者や障害者を、ミニコールネット網を通じて、無線で呼び出すことができる新しい救急装置(腕時計の形をした緊急発信器)の使用を開始した。現在ストックホルム市、ファーレ市、イェーブレ市、スヴェンユンガ市の25名の老人性痴呆症患者に試験的に用いられている。発信器を持った人が行方不明になると、職員や家族が警察に連絡する。救助隊長が緊急アラームセンター(SOS)に連絡する。そのセンターがミニコールネットを通じて緊急発信器をアクティブに作動させる権限を持ち、警察による捜索がヘリコプター、車などによって開始される。
 ストックホルム警察のヨーラン・フォシュグレン警視は「この技術は非常に優れています。扱いが簡単で安いのです。年内には、数百人もの人々が、この発信装置をしようするようになると思います」と語っている。この装置は警察の管轄地区一地区当たり約1万kr(約16万円)
(Gorteborgs-Posten 新聞 1998年2月25日)

■関連項目 グループホーム



ヨーテボリ市のホームヘルプサービス

 
1993年、スウェーデン全体のヘルパー・準看護婦などの介護職員数は、17.7万人である、そのうちフルタイム常勤は57%、パートタイム常勤は23%、時給勤務は21%である(奥村芳孝、1996、78頁)。
 1995年12月、スウェーデン第2の都市であるヨーテボリ市のホームヘルパーの数(フルタイムに換算して)は4,643人で、ホームヘルプサービスを受けている所帯数は7,991所帯(ホームヘルプサービスを受けている人は約1万人。表2は介護の程度別に所帯数を示したもの。ちなみにヨーテボリ市の全人口は44.9万人、65歳以上の人口7.9万人、高齢化率17.9%。


■関連項目  経済不況とインフォーマル