生活に対する満足度

  高福祉政策の下、スウェーデン人は自分の生活に満足しているのであろうか。最近のFIS(社会と情報研究のための調査グループ)の調査によると、3人に1人が、現状の生活に完全に満足している。
 とりわけ、高齢者(69歳から80歳まで)の満足度が高い。「自分の住居に満足している」(73%)、「友人に恵まれている」(63%)、「現状では自分の生活に最も満足している」(52%)、「余暇の時間の過ごし方に満足している」(60%)、「愛情面で満足している」(52%)と答えている。「自分の健康状態」のみが平均満足数値より低い。
 自分の生活に不満を抱いている人が多いのは、17歳から38歳までの年齢層で、「生活に満足している」のは20%ほどである。困窮する経済状況の中で、高福祉のための納税を課せられる年齢層に不満が多いのも陶然のことかもしれない。
(Goteborgs-Posten新聞 1998年2月23日)


■関連項目 福祉後退への批判



高齢者体操

 年金生活者体操全国委員会(Riskommitten for pensionarsgymnastik)では、ベッド体操、車椅子の人たちの体操、水中体操などを創作し提供している。
 元気な高齢者はあちこちにある体操教室に出かける。高齢者向け施設では、週に一度体操指導員が、その他の日は、施設の職員が体操の指導を行う。体操の指導員は委員会主催のリーダー講座を修了した人たちで、たいてい高齢者。ベッド体操は、身体的自立のための基礎体力を養うためにもので、施設でも自宅でもできる。



■関連項目 福祉後退への批判



スウェーデン人の将来観

 
スウェーデンは欧米などから関心を集め、注目されている国だが、スウェーデン人自身はスウェーデン社会の将来をどう思っているのだろうか。
 1997年のSIFOの世論調査によるとスウェーデン人は「将来を明るくない」と見ている。
 2000年までにスウェーデン社会では、「犯罪・暴力が増える」(84%)、「社会福祉は悪化する」(69%)、「失業率が増える」(53%)、「自分の親よりも劣る医療看護を受ける」(48%)、「自分の年金が悪化する」(54%)と思っている。また「幸福に暮らす可能性の増加」に対して57%が否定しており、将来に対して悲観的である。しかし、「スウェーデン人は、スウェーデンに今後も住みたい」と64%が希望している。
(Svenska Dagbladet 新聞 1998年1月4日)

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