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■パートナー関係の変化と男性問題
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スウェーデンでのカップル関係の特徴は、たとえ結婚していても、経済的にも人格的にも別々の独立した存在としてみなされることです。
婚姻法では、「一家の主人の扶養の義務」という観念が取り除かれ、夫婦であっても、互いに扶養の義務関係はありません。
離婚での慰謝料はなく、夫が死亡しても1990年以降に法律婚した妻には寡婦年金もありません。
また婚姻法では「夫婦の共同の家事・育児の義務」が唱えられ、男性にも家事や育児への参加が奨励されています。
最近改正された両親保険制度では、従来の450日の育児休業期間のうち、30日間を父親だけが取得できる「パパの月」を設けています。
離婚では、当事者の意思が尊重され、パートナーが離婚に合意しなくても、離婚原因のいかんを問わず、6カ月の考慮期間を経た後に、離婚が成立します。
▼男性の危機センターのスタッフ ヤーン・ニルソン
「現在でも、頭ではわかっているけれども、自分の身の回りのこともできない男性もいます。家事や育児に対して積極的でない男性も少なくありません。
男女平等の考えについていけず、妻に暴力を振るう夫もいます。
女性は経済力をもち、いやな結婚生活を我慢して続ける必要はなくなりました。今の離婚の75%は、女性が主導権を握って離婚しています。」
▼男性の危機センターのスタッフ
ヨーハン・エングレーン
「妻から突然離婚話をもちだされ、信じられない男性が多いです。ここに、涙してきます。
離婚されれば、スウェーデン社会では、男性は5つの物を失います。妻、子ども、住居、経済的豊かさ、そして友達です。
今スウェーデンの社会は、価値観の転換期にあります。パトナーとの関係をどう維持していくか、その難しさが自覚されてきています。」
二人が結婚していても、関係の永続性は法的に保障されません。女性も男性も、お互いが経済力と家事能力を身につけておく必要があります。
カップル関係を継続するには、精神的な性愛的なつながりがますます重要になっています。
スウェーデンでは、性に対する価値観も劇的に変化しています。
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