日本では、「無縁墓」の増加が問題に

 
近年日本の都市部では、深刻な墓地不足が生じている。一方、葬られた死者を弔うべき縁故者がいなくなった「無縁墓」を改葬合祀して墓地を整理するには「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」第3条の規定で、下記の3要件とその墳墓の写真または図面が必要。無縁墓の改葬は、手続きが厳格な為、現実的になかなか進まない。

1.
墳墓の土地の使用に関する権利が相当法令の規定に基づき公に消滅させられ、または、その消滅が公に確認されていること。
2.墓地使用者および死亡者の本籍地の市町村長に対して、その縁故者の有無を照会し、「無い」旨の回答を得ること。
3.墓地使用者及び死亡者の縁故者の申出を催告する旨を2種類以上の日刊新聞に3回以上公示し、その最終の公示から2カ月以内にその申出がなかったこと。


 最近、墓地使用の期限を限定し、契約更新や継承者のない時には、別の場所に遺骨を移す方法をとる墓地も出てきている。

■関連項目  埋葬権と管理義務



日本人は、お墓に誰と一緒に入りたいか

 1998年2月、厚生省委託の「厚生科学特別研究事業」で実施された『墓地に関する意識調査』(主任研究者:森謙二、全国の20歳以上の男女を層化2段無作為法で対象者2,000人を抽出。回答者1,524人)では、「あなた自身は、お墓に誰と一緒に入りたいと思いますか」という質問に、「配偶者」と回答した割合がもっとも高く、次に多いのは「子ども」。「自分一人」や「親しい人」は、2%以下。男性は、女性よりも「先祖代々」「自分の両親」の回答が多く、「家」の墓の思考が強いことがうかがえる。





■関連項目  ミンネスルンドの連帯・共同の哲学