◆解説5:在宅援助

 1996年12月31日の統計数値によると、ホームヘルプサービスまたは訪問医療からの援助を受ける資格があると市から認定された在宅者は、全国で14.5万人。年齢別にみると65歳未満は10%、65歳〜79歳33%、80歳以上の高齢者は57%。80歳以上および65歳未満の割合は、1993年以降あまり変化がない。また、男女別の認定割合をみると、女性は1995年では65%を占めているが、1996年には50%に減少している。


■関連項目 在宅ケアの充実

◆解説6:社会サービス法
 
 社会サービス法(Socialtj穫stlagen)は、禁酒法、社会扶助法、児童福祉法、幼児保育法の4つの法律を統合して作られたもので、スウェーデンの高齢者福祉と医療に関する基本法となっている。社会サービスの挙げる基本原則は、@総合的観点の原則、Aノーマライゼーションの原則、B自己決定の原則、C影響力と社会参加の原則、D積極的活動の原則である。
 後述のエーデル改革により、社会サービス法の一部が改正され、第3条で、サービス・介護つき住宅を建設することをコミューン(市)の義務としている。



■関連項目 在宅ケアの充実


◆解説7:クランパレガータンのグループホーム

 クランパレガータン(Klamparegatan)の老人性痴呆症のグループホーム(gruppbostad)は、1985年に学生寮を改造して、開設された。この施設は3階からなり、各階フロアー面積は240平方メートル、各々の個室は13平方メートルである。リビングや食堂などの共有スペースと「寝室」と呼ばれる個室から構成されている。個室には、物入れ、トイレがついている。
 入居資格の第一候補はアルツハイマー型痴呆であるが、脳血管性痴呆症の人も入居している。入居時には医師の処方箋がつけられている。入居者の年齢は80歳代から90歳代の人が多く、平均年齢は85歳となっている。
 イングリッド・パーク(Ingrid Park)施設長によると、「入居に際して、家具はベッド以外、絵やテーブルなど各自のものを持ってくるように頼みます。入所前に家族と話し合いをもち、どんな人生を歩んできた人であるか、性格や趣味なども教えてもらいます。こうした情報は、入居者が施設に慣れるために大切なことです。ここは一種の家庭だから、多様な社会的経験をした職員から構成されるように配慮しています」とのこと。
 家賃は、入居者が平等に負担し、自分のお金で支払えない入居者の場合、国から住宅手当が支給される。入居者から食費として一日当たり60kr(トイレットペーパー代やお菓子・コーヒー代なども含まれる)、および修理費や電話代などとして月額280krが徴収される。これらは職員が管理している。



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