ヲ解説3:スウェーデンの行政単位 

日本では都・道・府・県・市・町・村といったものが行政単位としてあるが、スウェーデンでは、1998年4月現在、24のレーン(L穫)、23のランスティング(landsting)、288のコミューン(kommun)がある。レーンは日本語では「県」や「州」(英語ではstate county )、ランスティングは「県」(英語ではcount council)、コミューンは「市」(英語ではmunicipality,city,local authority となど)と翻訳されることが多い。
レーンとランスティングの地理的区分は、バルト海に浮かぶゴットランド(1つのレーンであるが、地方自治体レベルでは1つのコミューン)を除き、ほぼ同じ。レーンは国の地方行政区であり、国の出先機関。ランスティングは広域の地方自治体で、主に医療を担当(エーデル改革で高齢者ケアの医療の一部は、コミューンに委譲)。
コミューンは、基礎自治体と呼ばれ、日本の市町村に相当。スウェーデンでは、1800年代に教会を中心に存在していた約2500の教区(socken)がそのまま市町村となっていた。行政能力を増大させるために、1952年と1970〜74年の2回にわたって市町村合併が行なわれ、基礎自治体はコミューンのみとなる。しかし現在でも、教区として2500の市町村は残され、冠婚葬祭や墓地の管理などを行なっている。


■関連項目 墓地の費用

ヲ解説4:スウェーデン国教会

グスタフ・ヴァーサは、1523に年デンマークから独立してスウェーデン王となり、ローマカトリック教会から離脱してプロテスタント・ルター派のスウェーデン国教を宣言する。その後スウェーデン国教会を堅持。スウェーデンの国教会はカトリック教会と、その形や、礼拝、回礼、牧師の服装などでは大差はないが、マリアや聖者への見方や聖典の教えに違いがある。
カトリック教会は聖母マリアや聖者を高く評価。ルター派の教会では、祈りを捧げるのは神にだけで、聖母マリアに対して祈らない。大司教や司教はいるが、スウェーデン国王が国教会の最高指導者。
現在スウェーデンでは、国会が国教会の業務についての法律や規則に関する最終決定権を持っている。宗教の自由を求める運動により、1951年に「信仰の自由」が法律で保障され、国教会の信者でいたくなければ脱会が可能。現在でも人口の92%はスウェーデン国教会に属するが、宗教的影響力は弱い。



■関連項目 墓地の費用