郡津・男の料理教室 
郡津ビール工房ニュース No.002 2003年7月19日   自ビールの一次仕込み その1

 

ビール造りは、個人のお好みの味にできるので楽しいものです。自分のラベルまで作る方もおられます。ビール作りのノウハウは、秋から春にかけて行われるビール造りセミナーに参加すれば、ほぼ基本技術をマスターできるでしょう。

ビールの歴史は古代エジプトの時代から始まっています。 その歴史はヨーロッパ各地の農民に伝えられ、香料・ホップ・酵母に工夫が加えられ、今日の「美味しいビール」に進化を遂げてきたと言えます。ヨーロッパの各地で色々なビールが作られ、楽しい ビール文化が華を咲かせています。この楽しい文化に私たちも参加させていただきましよう。ビール工房では、色々なモルトと酵母の選択と、殺菌と温度の工程管理など、基本的なことだけ講習しています。あとは皆さんの工夫で、フルーツ味、ハーブ味など「美味しいビール」が出来上がるのを待つだけです。貴方もさっそく試してみませんか。今回は一次発酵までをお伝えします。

 

一次発酵までの行程行程は諸外国の作り方です。
(1) モルト(酵母付き:2リットル)を東急ハンズなどで選んで購入します。
  (ポピュラーなものは料理教室で一括購入しています)
(2) 秋から春にかけて、平均気温が20℃位の時期に仕込み開始です。
(3) 大きな鍋に2リットルの水道水を入れ、80℃まで沸かします。
(4) モルトを入れよく溶したところで、砂糖100〜300gグラムを入れて、
  さらによく溶かします。焦げ付かさないように適宜撹拌し30分ほど煮ます。(下の写真参考)
  アクが出るので、その都度アクをとります。
(5) タンクと使用器具はエタノールでよく消毒をしておきます。 
  そのタンクに12〜15リットルの水道水を入れておき、煮たモルトを流し入れます。
  (モルトを入れる前にタンクの水温を計り、モルトを入れた鍋ごと水に浸して適当にさましておくと、
   次の行程(6)が早く済みます。)
(6) タンクの溶液が28℃以下に下がるまで待ちます。 
   そして添付されている酵母を入れて、まぜないでタンクを少し揺すります。
(7) 18-28℃(最適は20-24℃)で1週間ねかせます。1日に一度はやさしくタンクを揺さぶります。
 
砂糖と水の目安(アルコール度約5パーセントの場合)
 砂糖0K:水10.5P 砂糖100K :水12P 砂糖300K:水14.5P
 砂糖500K:水17P 砂糖1000K:水22P

 

(参考)

* 消毒する使用器具は、じょうご、タンクと蓋、100℃までの温度計です。
* 消毒していない器具は、仕込み中と仕込み後のタンク内に絶対にいれな
  いように気をつけて下さい。
* モルト原料2リットルに対する出来上がり(仕込み)のビール量は、
  行程(5)のタンクにあらかじめ入れておく水の量によって決まります。
  当然、水の量が多ければビールの風味とアルコール度が落ちることになります。
* アルコール度を保つためには、砂糖を多くいれます。
  行程(4)のモルトの糖分と加える砂糖が、行程(6)で入れる酵母の働きによって、
  アルコールと炭酸ガスに変わるからです。つまり、水の量で出来上がり量を、
  砂糖の量でアルコール度(1ー5%)を調節します。
* アルコール度を低くしてフルーツ仕込みし、その風味を楽しむのもよいかもしれません。
* 行程は諸外国の作り方です。日本では製造量をモルト2リットルに対して、5倍(60リットル
  以上の水)の出来上がり量にして、アルコール度を1パーセント以下にしてください。

 

仕込み(写真)の説明

タンク仕込みまでのご紹介

(3)(4)の行程。モルトと砂糖を入れた後、焦げ付かさないように適宜撹拌し30分ほど煮ます。この写真の後、タンクや使用器具の殺菌をし、タンクに仕込んだ後1週間、18-28℃の保温(最適は20-24℃)を徹底すれば、誰にでも失敗なく自ビールは作れます。タンク仕込み作業は1時間以下で済みます。タンクは20リットルのものです。